世は空前の猫ブームである。
90年代末からゼロ年代初頭までは、シベリアン・ハスキーやミニチュアダックスフント、チワワなどが流行する犬の時代だったが、今は完全に猫の時代。
しかも猫の場合、自分で飼っていなくとも、道ばたで会えるのがいい(運が良ければ、撫でさせてもらえるのも最高)。
神仏のありがたみは心で感じるしかないが、猫は実際にもふもふでき、秒速で幸せになれる。この御利益、ある意味神をも凌駕している。
「猫漫画」が大人気
マンガの世界でも猫は大人気だ。
猫マンガはそれだけでひとつのジャンルを形成するほど大規模であり、それぞれの作品が、猫マンガ界の名作となるべくしのぎを削っている。
そんな猫マンガ戦国時代にあって『おじさまと猫』とは、これまたずいぶんと素っ気ないタイトルではないか。
おじさまと猫が出てくるんだろうなあ。みんなそう思うだろう。が、それ以上を想像するのは難しい。
しかし、ひとたびページをめくると、おじさまと猫が、思いのほか個性的で、ユーモラスで、しかも読者を泣かせにかかってくる。
泣ける漫画『おじさまと猫』の世界
物語は、ペットショップのシーンからはじまる。
ショーウィンドーの中にいるのは、もうすぐ1歳になる名無しの猫。
大幅値下げされているが、それでも売れない。「可愛くない」「成猫じゃん」「ブッサイク」「もっと小さい猫がいい~」……誰もこの猫を選ぼうとしない。
ペット飼育の世界にもルッキズム(容貌による差別)はある。むしろ人間相手じゃない分、露骨である。
しかし、そんなブサイク猫を欲しがる人物が登場する。
おじさまこと神田冬樹だ。
猫は1年近く客のことを観察しているので、自分がどんな風に言われているかよく知っている。
だからおじさまに欲しいと言われても、素直には喜べない。
「ええ!?/馬鹿にゃのかこのオッサン/嫁へのプレゼントか? 娘へのプレゼントか?/絶対に嫌がられるぞ!/返品にゃんか嫌だ!/期待にゃんかさせないでくれ!」……しかし、おじさまの決意はまるで揺るがない。
こうして、名無しのブサイク猫は、おじさま最愛の「ふくまる」として、新たな人生(猫生?)を歩みはじめる。
『おじさま』は・・・
しかし、このおじさまには、少々複雑な事情があるようだ。
猫を飼いはじめた背景には、妻との約束があるらしいが、家には妻の姿がない。
そして、いまはしがないピアノ教師として働いているが、かつてはかなり著名な演奏家だった模様。
「ひとりでは行けなかった世界だ/妻がいたから行けたんだよ」というおじさまの言葉だけでは、詳しいことはわからないけれど、とにもかくにも彼が喪失感の中を生きていて、ふくまるとの生活が慰めになっているのは間違いない。
一方のふくまるも、どうせ自分なんか愛されないという思い(もはやトラウマ)を、おじさまとの生活の中で徐々に癒やしていく。
自分は可愛い。自分には愛される価値がある。おじさまとの生活は、そう思えるようになるためのリハビリだ。
人々がこの漫画に惹かれる理由
猫だからって無条件に可愛いわけではなく、おじさまだからって無条件に大人の余裕が備わっているわけではない。
みんな傷ついているし、悩んでいる。
そのことを猫マンガとして描いて見せたことが、本作の魅力だ。
それでいて、人間に都合のよいフィクションに堕すことなく、リアルな猫あるあるを差し挟んでくるあたりも、バランスがいい。
「何故自ら来たときは一緒に寝てくれるのに/連れてくると逃げ出すのだろう…/だが私は諦めない」といったセリフを猫あるあるとして読むのも楽しいのだ。
というわけで、数多の猫マンガから何か一冊、となれば、まずは本作から読んでみることをオススメしたい。
猫のリアルとフィクションを横断しながら楽しめる、本当に読み応えのある作品である。
参照元:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181220-00000023-sasahi-life
『おじさまと猫』桜井海
『おじさまと猫』は現在2巻まで発売中。
今ならこちらからだと「デジタル版限定特典」が付いてきます。
『おじさまと猫』の感想。ネットの声
優しさとあたたかさにあふれた
良い作品です。
ペットショップにいる動物達が
幸せな家族の一員となれるよう
思わずにはいられないですね。
猫とおじさんがどう関わりどの様に変わるのか興味ある漫画です。読んでみたいと思ったよ。
ふくまるがおじさまを思う
純粋で優しいストーリーがみんな大好きなんだよね。
猫を飼っている者には当たり前に起こる日常を描いてますが、愛して愛される事がこんなにも心温まるものだと再認識する漫画です。
買ってない人は書店にGO!
だけどそこは逆に自立していて個性的♪と思ってよく見て欲しいです。
まあ、基本web連載なので、エピソードの蓄積があまりないから難しいかもしれないけど。
おじさまがダンディーで若い頃はさぞかしモテてたろうと思える
エリートビジネスマンとしたイメージだったから最初は会社役員かと思ってた
ピアノ教師とはねえ
おじさんも猫も思いやりにあふれてて、
温かい気持ちになります。
今日帰ったらウチの猫たちにちゅーるをあげよう。
ふくまるとおじさま、セットでとてもかわいいです。
出てくる人がみんな優しくて、とても癒されます。
それが良いんだよなぁ〜
(漫画とかドラマ、映画もかな、つまらなすぎて、見ないのか、可哀想だからっていうのがあって見られないのかどっちか)
この漫画の主役、福丸だっけ?
あのにゃんこが最後まであの素敵な
おじさまと幸せであるよう祈る。
うーん…おもしろいっていうか
最初読んだとき泣きそうになった
コンプレックスが鼻につくともう最悪。
なのでデブ猫大好きでもこの漫画を面白いとは欠片も思えなかった。
まあでもそういうのを素直に面白いと思える人はピュアで良いと思うし、きっとそっちのが人生は楽しい。
おじさまのお膝はふくまるのものですね。
大きめのぬいぐるみが欲しいです。
猫は好きではないけど、
この漫画の優しい空気、とても素敵。
そして猫を飼っていてよかった、もっと愛情を注ごうと思うんです。
本当におススメです。
特にふくまるの気持ちの部分で泣けてしまって。
設定も、キャラクターの性格も。
ふくまるもおじさまも真っ直ぐで純粋さ故に心に傷を抱えてる。
あざとい…!
(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
でも、動物はかわいいよね。
あざといのも無理
泣きたい人にオススメ
「模様のバランスが悪い」という理由で、ブリーダーに捨てられたダルメシアンの仔犬も居たな。
管理人の率直な感想
こういった心が良い方向へ移り変わっていく作品は良いですよね。
泣けて笑えて、とても純粋な作品。
しかもブサイクな猫が出てくる。
意外と漫画でこういう作品は無い。
「昨日と同じ今日が続くと思っていたにゃ・・・」
最初のこの猫のセリフで既に泣きそうになりましたもん。
そして、数ページ後に現れたおじさまの一言で完全に目から汗が出てきましたよね。
こういう作品が増えれば。もっともっと多くの人の目に触れれば、世界はもっと優しくなる。
そう思う今日この頃です。
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