茨城県牛久市の藤井康子さん（６５）は２０００年、長男の大樹さんを亡くした。大樹さんは当時１７歳。家からそれほど遠くないスーパーの駐車場付近で、男４人から暴行を受け、死亡した。警察は４人の似顔絵を作成して公開したが、いまだに犯人は特定されていない。ただ、この事件は広く知られていないかもしれない。４人の中に未成年者が含まれる可能性が指摘され、当時、似顔絵を報じなかった報道機関は多かった。
似顔絵公開後も、捜査は難航。一方で、少年事件に対する近年の厳罰化を背景に、捜査には変化もみられた。男４人の情報が積極的に公開されるようになったのだ。警察は７年前、４人の顔写真を公開。さらに動画をホームページに載せ「茨城県南部や千葉県に土地勘を有する人物か？」と付記した。
康子さんによると、大樹さんは優しい性格だった。「冷凍庫を開けたら１００円玉が置いてあったことがあって。きょうだいの分のアイスを食べちゃって、置いたみたい。心優しい子だった」。祖母が外出した際は追いかけて買い物に付き添い、荷物を持った。事件当時は１７歳で、反抗期真っ盛り。減っていた会話は、もう少し大きくなればまた増えるだろうと思っていた矢先だった。大切な息子を失った悲しみと葛藤は、２３年たった今も続く。加害者の４人にどうしても伝えたいことがある。「自首してください。捕まる前に自首すれば、情状酌量で刑が軽くなるかもしれないから」（共同通信＝羽場育歩）
「今からでも間に合うんだから戻ってこい！」火葬場で友人は叫んだ
大樹さんとの最後の会話は、電話だった。２０００年５月３日、外出中の康子さんは「もう少ししたら帰るからね。ご飯をちゃんと食べるんだよ」と何げなく話した。ところが日付が変わった４日、連絡を受けて駆け付けた病院で対面した息子は、頭がぱんぱんに腫れ上がり、管がたくさんつけられた変わり果てた姿になっていた。医師は言った。「コンクリートに打ちつけられたようだ。明日、明後日がヤマ場になるかもしれない」
友人たちは連日集まり、大樹さんに声をかけ続けた。それでも意識は戻らないまま、１３日に息を引き取った。
葬儀には数百人が訪れた。康子さんは、顔の腫れが引いたことだけが唯一の救いだと思っていた。火葬場でひつぎを見送る瞬間、倒れそうになった康子さんの後ろで、大樹さんの友人が叫んだ。「藤井、今からでも間に合うんだから戻ってこい！」。その声を聞き、必死に足を踏ん張った。葬儀の後で、大樹さんが事件の被害に遭ったことを警察官から伝えられた。
似顔絵公開、全国初の適用に
その後は捜査の進展に一喜一憂する日々。茨城県警によると、大樹さんが亡くなった日に男４人のうち２人の似顔絵を報道機関に提供。８月には新たに４人の似顔絵を作成し、傷害致死事件として捜査した。大樹さんの財布から現金数千円がなくなっていることが判明し、容疑を強盗致死に切り替えて２００４年には４人の似顔絵を公開した。背景には、警察庁が前年に出したこんな通達がある。「容疑者が未成年の可能性があっても、凶悪事件であれば例外的に公開捜査をする」。大樹さんの事件が全国初の適用例になった。
康子さんは「一歩先に進んだ」と喜んだ。しかし、似顔絵を報じた報道機関は限られた。
当時の新聞紙面では、少年の可能性がある容疑者の公開捜査について賛否両論が並んでいた。「しょうがないと思う一方で、ふざけるな、と心の中では思ったかもしれない」と思い返す。
顔写真、動画の公開にも踏み切ったが…
画像公開後も、目立った進展は見られない。そのうち、康子さんは、犯人たちが大樹さんが亡くなったこと自体を知らないのではないかと考えるようになった。根拠は、大樹さんの職業の表記だ。
警察の発表を受けた報道機関は、職業を「土木作業員」や「とび職」と掲載した。確かに大樹さんは事件前に高校を退学し、土木関係の仕事に就いていたが、事件当日は弟の学生服を着ていた。犯人たちは、制服姿だった大樹さんを高校生と勘違いし、報じられる「土木作業員の藤井大樹さん」と結びつけていないかもしれない。
茨城県警は２０１６年、４人の顔写真を初めて公開した。警察庁の新たな通達に伴い、やっと公開に踏み切った。翌年には付近のコンビニエンスストアの防犯カメラに残った動画を公開。ただ、男４人の呼称は顔写真を公開した時点で「容疑者」から「重要参考人」に変更されていた。警察によると、容疑者と断定できないための変更だが、康子さんは気持ちを整理できずにいる。「表現が変わった理由は説明されていない。画像の４人を犯人だと思っていたから、切り替えなくちゃと思うけど…」
生きる支え、息子の友人たち
消えない苦しみの中で、生きる支えとなったのが、大樹さんの友人たちだ。月命日の前後に家を訪れ、仏壇の大樹さんに語りかけ、康子さんに近況を話した。２０００年１１月には、大樹さんが迎えるはずだった１８歳の誕生日会に、康子さんを招いた。康子さんにとって彼らは今「子どもたち」。そう呼び、成人式に贈られた集合写真も大切に保管している。彼らは集まるたび、ノートに大樹さんへのメッセージを残した。そのノートは今、８冊になった。「決してしんみりとする訳でもなくて。ありがたかったし、救われた」
解決を待ち続けた康子さんの母よし子さんは２０１８年、８７歳で亡くなった。よし子さんは事件後、康子さんにこんな言葉をかけた。「たいちゃんにはかわいそうだけども、後を追っちゃいけないよ。他の子どもたちを考えて」。その言葉は支えになった。せめて自分が元気な間に解決したと、息子に報告したい。
康子さんが願うこと
「本当のことを言えば、彼らにも大樹と同じ目に遭わせてやりたい。どんなに痛かったか、苦しかったか…。彼らの親にも、子どもをこんな形で亡くす苦しみを味わってほしい。でも、そんなこと思っちゃいけないでしょう。だから、申し訳ないと思う気持ちがどこかにあれば、自首してもらいたい」
容疑者から重要参考人になった４人。彼らはどんな年月を過ごし、今はどこで何をしているのか。２３年前に自分たちが未来を奪った相手を、その家族を、どう思ってきたのか。康子さんは願っている。「今からでもどうか一刻も早く、罪に向き合って真実を話してほしい」
参照元：https://www.47news.jp/47reporters/9336823.html
逮捕できないと噂の地元の不良グループ【ネットの声】
画像だけじゃなく、動画まである。歩き方、服装、特徴がここまでハッキリ分かるなら誰も捕まえられないなんてあり得ない。
そのような忖度はなくなってほしいものです。
遺族の気持ちを考えると何が善で悪なのか、いたたまれない思いになります。
誰も立ち向かわない？私はなにもできないけど許せない
彼らは治安を取り締まってるのではなく忠誠を取り締まってるのだ…とね。
分かってて野放しなら、警察の失態やん。
犯人たちを知ってる人たちがあの映像見たら絶対気づくはずなのに
本当に胸糞悪くなる事件
圧力かけるから、正義感ある警察官がいても、自分のクビとんじゃうから動けなくなるんだろうね、所轄では悔しい思い断腸の思いでいたきがします
縦社会組織だから。
でも、ここまできたら文春などに期待したい
いじめによる殺人だと地元ではもっぱらの噂で、有力者の子供がいじめグループにいたからかどうかはわからないが、瞬時に事故死で処理されていることが納得いかない案件です。
しかもハッキリ映像があって、東京だとか人が多い所じゃないんだから、知り合いが見たらすぐわかるはず。
それなのにいまだに捕まらないのは？
地元有権者の息子だと言う話が出ているし、それで警察が動けないとか言われてますよね。
全国区のTVニュースなどで流せば、警察も動くんじゃないですかね。
しかも犯人全員捕まっていないって可笑しいよ。日本の恥だよ。
この犯人達が例え逮捕されなくてもこれから先の人生良い事は無いはずです。23年経っているとしても全員落ち着いて生活は出来ていないはずだと思います。この4人の親も23年経っていても防犯カメラに写っているので自分の子供だと分かっているはずです。警察も例え自分達の上司やその地区の有権者の子供だとしても逮捕するべきです。
有権者で手を出せないと言う事もあり得ない事だと思います。23年経っているので今は40代後半位でしょうか。警察も命を奪った犯人を野放しにしないで全員逮捕するべきです。
家庭を持ち子どもに恵まれているのだとすると、我が子が殺される経験をして初めて後悔するのでは。できれば同じ思いをしてほしい。
犯罪を犯す者に未成年、成年かは全く関係ない。逃げ切れることなく捕まってほしいです。
他の方のコメントに地元有力者の息子とのコメントがあった。
もう一度事件解決に向けて盛り上がりを見せて、テレビなども含めてマスコミ報道をすればなんとかならないものかと思ってしまう。
この手がかりで犯人を見つけられないとはやりきれない。
犯人は地元の不良グループだが、身内に警察だか権力者の関係者がいるらしく、本気で捜査をする感じではなかったらしい。
茨城は割とこういう感じの事件が多い気がする。
龍ヶ崎市役所の談合関係の事件も、ほとんど報道すらされなかった。
って有りますが、未だに指名手配の顔写真をその写真で出しているのだとすると似ているだけで犯人じゃ無いのでは？
しかも前回の似顔絵よりも明らかに犯人像から離れてきてる。
そして被害者も高校中退してるのに弟の高校の制服を着て深夜に外出、しかも現場には彼女もいて犯行現場も見てるのに、それでも犯人が捕まってないとか色々と不可解な点が多すぎる事件。
人の心理で写真や映像だと「違うところ」を探してしまい、似てるけど違うか…となる
似顔絵だと「似てるところ」を探して目の雰囲気が似てるとか情報が増える
犯人は地元の不良グループだが、身内に警察だか権力者の関係者がいるらしく、本気で捜査をする感じではなかったらしい。
茨城は割とこういう感じの事件が多い気がする。
龍ヶ崎市役所の談合関係の事件も、ほとんど報道すらされなかった。
何故なら、状況を鑑みるに、過去に警察で補導された逮捕された人間のリストを当たっていけば、この手の事件は間違いなく容疑者が見つかります。
集団でカツアゲして挙句被害者を撲殺したというのは、余程手慣れてないとまず出来ません。
それが見つからないというのは、コメにあった様に、容疑者が地元の有力者に連なる人だったりして、圧力があったのか警察が勝手に忖度したかのどっちかです。
もっとテレビやネットのニュースで取り上げて、しっかり防犯カメラの映像も流して欲しい。
一人でも多くの人に知れ渡り、そして殺人を犯した犯人が必ず、必ず捕まりますように！
鮮明に処理した映像を毎日SNSやニュースなどで流せば今でも情報来るんじゃないんですか？
あと眼鏡の方だけ他の三人と比べてタイプが違う人間ともいってたね。確かに真面目そうな雰囲気で少し浮いてる感じするよね
地元や近隣の都市では当時似顔絵や防犯カメラ映像が出てたのでしょうか？手を伸ばせば捕まえられそうなとこに居たはずなのに。今、彼らは何してるのでしょうか。
地元の人や知り合いなら、すぐに分かりそうなのに逮捕されない、不自然ですね。
もし有力者の息子などの理由で見逃しているのならとんでもない事です。
テレビ、雑誌、新聞、インターネット、マスコミが沢山取り上げて世間の注目を集めれば、犯人逮捕に至るかもしれない。
未成年だろうが何だろうが関係ない。
捕まえられるのに捕まえない、そんなことが有るとしたら警察って一体何の為にあるんだ？
警察がやる気ないのか、捕まえる気がないとしか思えない。
茨城って怖いとこですね。
こんな理不尽があってはならないが、これが現実と言われるとやるせなさしか湧かない。
犯人に人罰は期待できないが、せめて天罰が下るように祈りたい。
これは警察の怠慢か初期捜査が迅速に行なわれなかった
あるいは大きな力が働いて捜査が進展しないのか
いずれにせよ不可解である
再捜査を強く願います。何年経過しても許してはならない。
これが、正義だと思っております。
似顔絵公開した時点で犯人はもう成長して顔つきも変わってただろうし、罪を犯してるからなおさらイメチェンもしてるだろうし。捕まってほしいけど、23年は長すぎた…
テレビでつまらない番組ばかり作らないで未解決事件の公開捜査をやってほしい！
て思わないと、未解決事件は納得いかない
犯人はすぐさま特定されたが、地元権力者の子供か何かで警察に捜査ストップがかけられたと噂では聞いてます。
報道メディアはこういうのこそ追求して欲しいのだがな。
四人もいるんだから、誰か一人くらい捕まっても良さそうなのに、おかしいよね。
警察が本気で捕まえようと思っていないように見える。
四人とも映像が残っていて一人も犯人が捕まらないのも珍しい。
映像をどんどん広めてほしい。
地元の人ならわかるはず。
県警の能力云々は置いといて、解決したいのは分かったので良かった。
殺害されても、加害者は権力で逮捕されないのかと思った…
親やこの友人たちの気持ちを思うと辛くてしょうがない。
悪事をした者は法の下で誰であれ公平に裁きをして欲しいです。
何の為の法治国家？
加害者を保護する為？
権力が正義？
元警視庁のOBがこの事件を個人的に執念で自費で追いかけている動画もあるが、当時の映像の者達が未成年？の関係で映像公開が遅れたのだろうと言っている。しかし今は時効廃止で地上波でも積極的に公開して
重大事件の解決に向かうべき。逃げとくは許されない、映像は永久に残る。
犯人が分かっていても逮捕などしませんからね。
何もしないのが警察。
管理人の率直な感想
身内に権力者がいるために逮捕できないと噂されている犯人4人。
地元の不良グループとのことなので、藤井さんに喧嘩を吹っかけたように他にも同じようにイチャモンをつけられて暴行を受けた被害者がいると思います。
藤井さんの友人たちも必死で犯人を捜したはず。
しかし本当に犯人グループに権力者が関与していて逮捕できないなら、普通の少年たちには到底手に負えることではない。
これぞ人間の闇の部分。
手に届くはずなのに届かない。手を伸ばすことが許されない。
23年前の事件です。
その権力とやらが弱くなっていることも考えられるし、新しい捜査員も増えている。
「茨城県南部や千葉県に土地勘を有する人物か？」と犯人グループが地元民と断定的にしていないところもいい。
隣県の警察と連携を取っているなら、そちらに情報提供したらどうだろうか。
悪しき慣習をぶち破る捜査に期待したい。
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