11月21日放送クレイジージャーニー観ましたか?「ニューヨークと裏社会を語る」奇跡の対談!丸山ゴンザレス×ハロルド作石

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ハロルド作石と丸山ゴンザレスの奇跡の対談が実現!

危険地帯ジャーナリストの丸山ゴンザレスが、大都市ニューヨークの知られざる顔に迫った『GONZALES IN NEW YORK』を上梓。

イーブックジャパンから電子書籍で購読できます。

世界のスラム街や裏社会の現状を暴くゴンザレス氏が世界のカルチャーの中心とも言えるニューヨークに興味を持ったのは、無職の頃に読んだマンガ『BECK』との出会いがきっかけだったという。

その作者であり、最新作『7人のシェイクスピア』が話題のハロルド作石先生との対談が実現。
ニューヨークの話に終始するかと思いきや、対談を通じて、二人の意外な共通点が見えてきた。


無職の自分を奮い立たせたあの作品


丸山ゴンザレス(以下、丸山) 今回、先生にお会いできて感激です。先生の代表作の一つである『BECK』は、自分の人生に多大な影響を与えてくれた作品です。特に最新刊の『GONZALES IN NEW YORK』は、『BECK』がなければ生まれませんでした。

ハロルド作石(以下、作石) 最初にその話を聞いて驚きました。対談の依頼を受けたときに、「丸山ゴンザレスって、『クレイジージャーニー』のあの丸山ゴンザレスさんですよね?」って二度聞きしましたもん。なんで私なんだろうって(笑)。

『BECK』で描いたニューヨークは、丸山さんが行くようなディープな場所、というわけではなかったので。

二人が語る『ニューヨーク』と『BECK』


丸山 ニューヨークに興味を持ったのは、『BECK』に描かれた風景がきっかけだったんですよ。学生時代、俺は考古学者になろうと思って大学院に行ったのですが、そこで挫折しまして。就職しようにも大学院卒だと就職先が限られてしまって、働き口がなくぶらぶらしていました。その頃に、何度も何度も『BECK』を読んでました。社会人になってからも壁にぶち当たるたびに読むぐらい好きな作品で……。

だから、今回、ニューヨークを中心に一冊の本をまとめるときに、ニューヨークと俺の最初の接点を綴っておこうと思いまして、冒頭に『BECK』とニューヨークへの想いを綴りました。

作石 いやぁ、そう言ってくださると本当に嬉しいです。

丸山 『BECK』の終盤で主人公のコユキやバンドのメンバーたちがアメリカで飛躍を遂げる、その時の、冬のニューヨークの景色に憧れました。先生がニューヨークを舞台のひとつに選んだのには、理由があったんでしょうか。

作石 自分が20代前半の頃、帰国子女の知り合いが多かったんです。彼ら独特の雰囲気や、「ニューヨーク出身」という響きに悔しさと憧れがありました。それで、『ゴリラーマン』の連載が終了したとき、彼らと同じ空気を体験したいと思って、ニュージャージーに3ヶ月だけ語学留学したんです。

あえてニューヨークにしなかったのは、ニュージャージーは日本人が少ないと聞いていたし、リンカーン・トンネルを通ればマンハッタンもすぐだったので。英語を勉強しながら、週末はマンハッタンでライブを観たり、イーストヴィレッジでCDや本を探したり。その体験が、のちに『BECK』に繋がったところはありますね。

丸山 帰国子女コンプレックス!  それは僕もありました。英語交じりに話されたときの疎外感たるや。思い出すと胃がちょっと痛くなります(笑)。ほかにも『BECK』の中で好きなところはたくさんあるんですが、やっぱり冬のニューヨークでレコーディングするシーンは特に印象的で。日本では苦境に置かれていた彼らが逆転のチャンスを掴む……レコード会社を移籍して、厳しいプロデューサーにしごかれながら、世界と「勝負」をするためのアルバムを作るシーンです。

ニューヨークという街は、勝負をしに行く場所だと思うんですよ。だから、俺もこれまでいろんな国で培った取材力をあの国でぶつけてやろうと意気込んで、ニューヨークのアンダーグラウンドの取材に入りました。

作石 ニューヨークという街は、多種多様なものが強烈に入り混じっているカオスがあります。その街の最も深いところに潜り込むなんて、凄まじいとしか言いようがない。かつて語学学校で一緒だった人も、街に飲み込まれて廃人になったヤツもいます。

ニューヨークに限らず、外国では毎日、問題が山のように起こりますが、それは丸山さんにとっては楽しいことなんでしょうか。

丸山 楽しいですね。自分に降り掛かってくる問題だったら、ですが(笑)。それをひとつずつ、どうクリアしていくのかを考えたり、実行したりするのは好きです。

たとえば、ニューヨークの地下に暮らす人々がいて、彼らに会おうと思ったことがあったんですが、どうやって地下に潜り込むのかを考えてたときは、楽しくてたまらなかった。9.11以降は警備が厳重になり、準軍事施設の様相を呈していますから、並大抵のことでは侵入できません。ほかにも問題は山積み。あれこれ考えた結果、侵入の方法を知っているヤツを探すんです。

今、向こうでは「アーバン・エクスプロレーション(都市冒険)」という分野が人気で、廃墟や地下に潜って、誰も足を踏み入れていない場所にペイントするヤツらがいて、そいつらを掴まえて、地下道の入り方を聞き出したりしてました。

作石 『クレイジージャーニー』でも放送した、ルーマニアの「ブルース・リー」も凄まじいですよね。マンガを超えてます。マンガの企画として提出したら、編集者にありえないとボツにされますよ。

丸山 駅前のマンホールから地下に入るなんて、普通じゃ考えられないですよね(笑)。
妄想という宇宙
作石 そもそも、ニューヨークの地下に人が暮らしているなんて、普通は知りませんよね? 取材対象はどうやって見つけるんですか?
丸山 ニューヨークの地下住民は1997年に『もぐらびと ニューヨークの地下生活者たち』という本がありまして。椎名誠さんの娘さんの渡辺葉さんが翻訳しているものなんですが、ある時、それを思い出して、今あのあたりはどうなっているのか調べたら、アーバン・エクスプロレーションのムーブメントに乗っかって、追っているヤツを見つけたんです。

ラスベカスの地下は、大学生のとき見かけたCNNのニュースを思い出して、改めて調べ直しました。他にもニュースでたまたま見かけたり、外国の新聞に数行だけ書いてある記事をみつけて、現地の友人知人に情報を投げてみたり。それでもわからないことがあると、「インスピレーションが俺に行けと言ってる」と思い込んで、現地に乗り込みます。

インスピレーションといえば、先生の最新作『7人のシェイクスピア』でもインスピレーションを大事にしているシーンが出てきますよね。シェイクスピアが新しい劇の着想を得るシーンは、インスピレーションの連続です。

そもそも、先生がなぜシェイクスピアを主人公にした漫画を描いているのか。そのインスピレーションというか、この作品自体、いったいどこから着想を得たんですか?
作石 最初は、演劇好きの友人から話を聞いて、シェイクスピアって面白いなと思ったんです。作品はもちろんですが、彼のその数奇でミステリアスな生涯に惹かれました。ちょうど『BECK』が終わったばかりで時間があったので、いろんな人の伝記を読んでいたら、そこにシェイクスピアのものもあって。

『7人のシェイクスピア』は、シェイクスピアは実は一人じゃなかった……という設定ですが、評伝などを呼んでいると、本当に実在したのか、その存在そのものがベールに包まれていて、気になって気になって仕方がなくなった。そこから、自然に妄想を膨らませていきました。彼の作品には鳥類学から薬草、法律など、その道のエキスパートが書くような本が何冊もあるんです。

もし一人の人間がこのすべてを書いていたとしたら、ありえないくらいの超人なんですよ。だから、「シェイクスピア」という人物を複数人が分業にしていたら面白いな、と。漫画家は基本、妄想力ですよ。

丸山 登場人物の一人に、中国人移民の女の子、リーが出てきますよね。彼女が英語を覚えて、詩を読み上げていくと、その詩でインスピレーションを得たシェイクスピアが、今度は演劇の台本を書き上げていく。あのシーンは『BECK』でコユキが初めて歌ったときのあの衝撃に通じるものがあって、とても刺激的でした。

作石 シェイクスピアが作った造語って、実は膨大にあるんです。造語って、なかなか作ろうと思っても作れない。もしかしたら、外国人がシェイクスピアにアイデアを与えたんじゃないかな、と思ったんですね。

また、シェイクスピアの作る詩は、時に文法を完全に無視したものある。これもネイティブなら気持ち悪くて作れないはずなので、「シェイクスピア」のひとりが外国人だったら面白いなと。

丸山 僕も『鳥居准教授の空腹 ~世界のスラムにうまいものあり~』(幻冬舎コミックス)という漫画の原作を手がけているんですが、スラム街での体験を基にしつつも、現実とフィクションのライン引きが難しくて。だからますます、ハロルド先生が作り上げる、妄想という名の宇宙の凄さを実感します。


ハロルド作石『BECK』


ハロルド作石の作品『BECK』
ご存知の方も多いでしょう。
僕は原作はまだ読んでいませんが、映画は実写化された際に観ました。

■あらすじ
平凡な毎日に不満を持っていた主人公の少年・田中幸雄は、南竜介との偶然の出会いによって、音楽の世界に入り込むことになる。南竜介・田中幸雄を中心に、バンド:BECK(ベック)・英語名:Mongolian Chop Squad(モンゴリアン・チョップ・スクワッド、M.C.S)が結成され、失敗・挫折を繰り返しながらも、音楽への信念を原動力に一歩ずつ前進してゆく様を描く。

BECKは国内最大のマンガ(電子書籍)販売サイト!イーブックジャパンで読むことが出来ます。



↓初めての方はこちらからだとお得。


ハロルド作石の名作『ゴリラーマン』


みなさんは『ゴリラーマン』という漫画はご存知でしょうか。

これは名作ですよ!

僕とゴリラーマンとの出会いは中学生の時でした。
今みたいに電子書籍という便利なサービスが無かった時代でした。
友達と古本屋に行った際に「これ凄く面白いから読んでみて」と言われて買ったんです。

買ったんですが、あまり面白くなさそうなので二日くらい放置して、暇だったので思い出したかのように読み始めたのを覚えています。

これがまた面白くて面白くて、1巻を読み終えるとすぐにまた古本屋に直行しました。

その夏休みの宿題である読書感想文のタイトルは『ゴリラーマン』でした。
そのくらいハマりました。
必見です!

僕は今でも読みますし、今までセリフの一言一言まで暗記するくらい何度も読み返しています。

といっても、ゴリラーマンに関しては主人公なのですが喋らないんですけどね。
これでもかってくらい喋らない!
一言も喋らない・・・のですが最後・・・っとネタバレになるので書きませんが。。。

『ゴリラーマン』もイーブックジャパンで読むことが出来ます。



■あらすじ
ある日、白武(しらたけ)高校に転校してきた非常に無口な池戸定治は、なぜか不良グループと気が合い、外見から「ゴリラーマン」というあだ名を進呈され、行動をともにする。
実は、ゴリラーマンはケンカをすれば並の不良では全く敵わないほど強く、これまでいた学校では必ず問題を起こし、転校に追い込まれてきたのだった。
しかしながら、無口でほとんど自己主張がないため、仲間たちはゴリラーマンの恐ろしさに気づいていなかった。
ストーリーは、大きく前期と後期に分けられる。
全般的に、仲間たちと過ごす高校での日常の描写を淡々と描きながら、校内球技大会などのスポーツや、バイト、生徒会活動、周辺の高校の不良たちとの抗争などのエピソードを加えている。
主要登場人物の2年生から3年生の間を描いている。初期は絵が劇画調で描かれており、主要キャラクターから脇役まで実在の人物をモデルにしてることが非常に多い。ほとんどのキャラが当時活躍していたプロ野球選手と同じ苗字で、それ以外のキャラも名前はプロレスラーなどアスリートをモデルとされてることが多い(その一方で外見のモデルは芸能人が多い)。

ゴリラーマンの外見のモデルは「たまたま作者ハロルドの向かいに住んでいた家族」とウィキペディアにあるが、「作品自体がハロルド作石の高校時代が元となっていて、ゴリラーマンも実際に存在した同級生の一人。実在のゴリラーマンが無口無言だったのは声が高く恥ずかしくて喋らなかったから」という説もある。

とにかく読んだらハマること必須の名作です。


ハロルド作石『7人のシェイクスピア』


こちらもイーブックジャパンで読めます!
1600年前後くらいのイギリス・ロンドンを舞台としています。

なんか今回は凄くハロルド作品を推していますが、イーブックジャパンは漫画を「背表紙表示」で管理できるので、電子書籍なのに本棚のように管理しやすいんです。

↓こんな感じですね。

漫画の豊富さもそうですが、背表紙表示で管理できるのはイーブックジャパンだけなので、是非おすすめしたいです。



くどいようで申し訳ないですが、初めての方はこちらからだとお得ですよ。



それでは再び、ハロルド作石さんと丸山ゴンザレスさんの対談の続きへ参ります。

ハロルド作石×丸山ゴンザレス「人間は矛盾の生き物」


丸山 ハロルド先生が、これまでの作品の中で通底して描こうとしているテーマとは何ですか。

作石 作品によって異なりますが、『7人のシェイクスピア』に関しては、矛盾の中で生きていく人間性を描きたいと思っています。その中で、無名の人間がのし上がっていく高揚感だとか、いろんな要素をちりばめていますが、究極的には「人間の矛盾」ですね。

丸山 シェイクスピアが抱えている矛盾とは?
作石 芝居で成功したい、頂点を極めたいという強烈な野心があるのに、決して作家として才能があるわけではない。けれども、プロデュース能力が優れている。それが第一の矛盾です。また、クリストファー・マーロウというライバルの劇作家がいて、彼も人気があるのに、その反面、宗教改革下の政府のスパイとして、カトリック教徒を暗殺している。

人々を喜ばせる物語を作りながら、殺人鬼でもあるという。ここにも矛盾がありますね。登場人物ひとりひとりに矛盾があって、その矛盾によって物語が深みのあるものになっていく……。だから、いまはその矛盾を描きたいなと。

丸山 なるほど。僕も取材の中で、人間の矛盾はよく感じます。人間は結局、矛盾を抱えた生き物ですよね。例えば、真っ当に生きたいと語るドラッグディーラーがいたんですが、彼はヘロイン中毒者で、周囲が入院を勧める中、「なんのために生きるのか。稼ぐためだろう」と言うんです。

「俺は、ヘロインをやるために生きるから、そのための金が入ればいいんだ」と。それ自体は矛盾ではないけれど、引いてみると、大いなる矛盾の中に存在している。矛盾であることが当たり前なんだと思いました。逆に、整合性がある人ほど嘘をついている可能性が高いですね。

作石 その話、もっと詳しく聞かせてください

丸山 メキシコ麻薬戦争の取材で強く感じたのですが、いろんな自警団がある中で、ひとつ、理想を掲げて自分たちこそ正義だという自警団があったんですね。彼らの言うことにまったく矛盾がない。そこで、かえって疑問が湧いたんです。なぜこんなに立派な自警団があるのに、この街では麻薬取引が横行しているのか。俺はその自警団が、裏では麻薬組織とつながりがあるんじゃないかと思ったんです。いわば、マッチポンプのようなことをしているんじゃないかと。

思い切ってそのことを彼らに尋ねると、「もし我々が麻薬カルテルと繋がりあるなら、金があって最新の武器を持っているはずだ。でも、ここにある銃はボロボロだろう」という。なるほどと納得していると、若手の団員が何かを抱えてリーダーの元に走り寄ってきて、俺たちの目の前で、冗談みたいにコケたんです。足元に最新型の銃が散らばって、そこにいた自警団幹部の顔がこわばるという(笑)。

やっぱり麻薬組織とつながっていたんでしょうね。そこでオチがつきました。

作石 メキシコ麻薬戦争は面白かったです。麻薬組織と自警団の銃撃戦があった場所の売店のお姉さんに話を聞いてましたよね。それで、丸山さんが麻薬カルテルが銃撃戦の原因か聞くと、少し困った感じで、「どっちのカルテル?」と答えた。要は、自警団も麻薬組織と同じようなもんじゃないかと住民は思っている。あれは、それまで番組を観ていた人の価値観が一転する瞬間でした。

丸山 あれも偶然に取材した人が発した言葉で、あの一言を聞いた瞬間に鳥肌が立ちました。まるで脚本があるような展開だったので。

作石 でも、それまでにも、丸山さんは矛盾を感じていたんですね。

丸山 取材の前段階から、自警団とカルテルの線引きはとても難しく、いわばグレーゾーンだということは知っていましたが、実際に現地に行くと、思っていた以上に全ての組織がぐちゃぐちゃで。

それにしても、先生はやっぱり言葉に引っかかるんですね。『7人のシェイクスピア』でも『BECK』の中でも詩や歌詞が登場し、作品に重要な意味を付与します。それがまるで神の御技のように描かれていますが、先生ご自身も何かに引っ張られるようなことは感じますか?
作石 そうですね。物語を作るというのは、知識だけで作るものじゃないとは感じますね。『BECK』については、曲自体はマンガで描けないし、あまり僕の趣味を押し付けるのもどうなんだろうと思っていたので、想像の余白を残しています。

丸山 その一方で、『BECK』では舞台となる釣り堀や、ナポリスミスが誕生する喫茶店など、あそこがモデルなのではと思わせるような具体的な描写もありますよね。千葉が「レクサスに乗りたい」と言っていたり。

作石 釣り堀は、『BECK』に取り掛かる前に、釣り堀のマンガを書こうと思って、資料写真をたくさん撮っていたんですね。それをそのまま使って。レクサスはカニエ・ウェストの「ジーザス・ウォーク」の歌詞に登場したので、若者は今、レクサスに憧れてるんだなと思って、そのまま使ったんです(笑)。
暴れ馬が目を覚ます
丸山 お笑いコンビの「サバンナ」は、先生の初期の作品『サバンナのハイエナ』から名前をつけたと聞いたことがありますが、先生の作品には、若者の無軌道なエネルギーを後押ししてくれる力がありますよね。たくさんファンの方がいると思うんですが、俺みたいに異様に思い入れがあって、先生の作品に影響を受けた、っていうファンについてどう思います?
作石 それは本当に嬉しいですよ。ただ、僕の作品に力があったということではなく、丸山さんが元々持ってた何かが共鳴したんでしょう。ちょうど暴れ馬が目を覚ます時に読んでいたとか(笑)。

だって、みんなが辿り着けない場所に行って、その景色を見せてくれるのは、すごいことですよ。それこそ膨大なエネルギーが燃焼した結果であることは間違いない。

僕にも聞きたいことがあります。丸山さんはいろんな人に会いに行きますよね。人嫌いになることはないですか?
丸山 俺の仕事は、その人が抱えている物語を聞くことなので、人が嫌いだと仕事にならないということもありますね。それに、俺が嫌いでも、そいつが世の中全体からハブられていなければ、誰かには好かれているはず。だから、どんなヤツでもリスペクトできる部分はあるし、無理にでも好きだと思い込んでみると、好きになっていくんです(笑)。

そうなると自然と向こうも好意をもってくれて、好きと嫌いがひっくり返る瞬間があるんですよ。これは、無職時代に学んだんです。俺がいじけて立ち止まっていても、世の中は動いている。偏ったらいけない。だから、なるべく物事は多面的に見なくちゃいけない。

作石 丸山さんの言葉にはいい言葉が多いですが、これもすごい名言ですよ。

丸山 いや、ただ実体験を話しているだけですよ(笑)。無職時代、カンボジアに旅に出ようと新宿駅に向かっていた時、スーツ姿の人たちが群れをなして歩いていて。若い時は、群れに染まらなかった自分に優越感を感じていたけど、その時は全然違って「俺はレールから外れたんだ」と初めて疎外感を抱いたんです。

ちょうどその頃、ボロボロになるまで読んで心の支えにしていた『BECK』をきっかけに、ニューヨークに憧れたわけです。もしあの時、『7人のシェイクスピア』を読んでいたら、今回の本の舞台はロンドンになっていたかもしれませんが(笑)。

作石 そう言ってくださると嬉しいですね。僕自身は、ロンドンへは旅行や取材で何度かといった感じで、グラストンベリー・フェスティバルやサッカーを見ていい街だなあと思っているくらいなんですが、ロンドンにもディープな場所があるんですか? 丸山さんがこれからロンドンに行く予定は?
丸山 イギリスでは、宝探しをしたいと思っています。あの国は歴史が長く、国土も狭いので、あちこちにいろんなものが埋まっているんですよ。

作石 お宝があるんですか?
丸山 コインとかロザリオとか金属ものが多いんですが、金属探知機をかけるとザクザク出てくるそうです。じゃあ、第二弾は、『7人のシェイクスピア』にちなんでロンドンを目指します!

作石 それは素晴らしいですね(笑)。もしも丸山さんがシェイクスピアにまつわるなにかを見つけてくれたら、こんなドラマチックなことはないですよ。次はぜひロンドンをテーマに、対談をしましょう(笑)。


管理人の感想


ハロルド作品も大好きですし、クレイジージャーニーの丸山ゴンザレスさんのスラム潜入も大好きなので、個人的に夢のような対談を拝見させていただきました。

ハロルド作石さんはレッチリやジミヘンなどを始め、洋楽に精通していて「ゴリラーマン」の中にも登場人物が洋楽を熱唱しているシーンがあるのですが、『BECK』もエリック・クラプトン、ジミー・ペイジと並ぶ3大ギタリストの一人『Jeff Beck』からでは?と個人的に推測しています。

Jeff Beckのレッドブーツという曲は名曲ですからね。(僕もそっち方面の音楽が好きです)

僕が調べた限りだと実写版BECKを観ることが出来る動画配信サービスは無く、ゲオ宅配レンタルで観ることが出来ます。



アニメ版のBECKでしたらHuluで観ることが出来ます。



長くなりましたが今回は以上です!
読んで頂きありがとうございました。


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