【福岡市うなぎ店立てこもり事件】人質の６歳姉「妹が残ってる」先に解放されるのを拒んでいた…女児に優しかった渡辺祐樹容疑者

21日午前8時半ごろ、福岡県福岡市南区大橋1丁目のうなぎ店「うなぎの黒田屋」で、男が包丁2本を持って女児2人を人質に取り立てこもった事件で、同店の元従業員で福岡市南区三宅2丁目に住む無職・渡辺祐樹容疑者（35）が逮捕された。
人質となった女児は店主の男性（36）の子どもで、6歳と3歳の姉妹だった。

「恨みあった」動機供述

渡辺容疑者は動機について「働いていた時の恨みがあった」と供述しているという。
渡辺容疑者は最近まで店に勤めていて、以前から店主との間でトラブルがあり、最近になって店を解雇されたという。
金銭トラブルがあったとも言われている。
事件の前の日には同居する母親に暴行し「息子から金を無心され困っている。身の危険を感じている」と母親が警察に相談していたことが判明している。

仲が良かった渡辺容疑者と姉妹

店主の知人男性（36）によると、事件発生直後に現場近くで店主と言葉を交わした際に、「シャッターを開けようとしたら、（男に）いきなり後ろから殴られた」と店主から説明されたという。
うなぎ店を知人らによると、渡辺容疑者は半年～1年ほど前からうなぎ店で働き始め、毎日のように出勤していたという。
近隣住民の40代男性は「渡辺容疑者が姉妹と店の外で遊んでいる姿を見たことがある。こんな事件を起こすとは思えない」と驚きながら話した。
渡辺容疑者は、立てこもり宙に女児2人を拘束したり脅したりすることはなく、ケガを負わせることもなかった。

解放後「お母さん！」泣きじゃくった姉妹

「お母さん！」
解放後に保護された姉妹は、両親に抱えられ泣きじゃくった。
捜査関係者によると、渡辺容疑者は立てこもり中に自身のタバコと同時に姉妹のための飲み物も要求していた。
渡辺容疑者と捜査員との間で、姉を先に解放する話が出たが、姉は「妹が残っている」などとして拒んだという。

姉妹に優しく接していた反面、店主への強い恨みを抱えていた渡辺容疑者。
両親を「娘を置いて逃げた」として叩く人と擁護する人・・・ネット上では様々な意見が上がっている。

ネットの声

管理人の率直な感想

店主である女児の父親はいきなり暴行を受けていますし、咄嗟に逃げてしまったんでしょう。
僕は責めるつもりはありません。

ただ一つ言えるのは、僕もお姉ちゃんを同じ立場だったら絶対に逃げないということです。
正確には、逃げることなんかできないということになります。

僕にも弟がいます。

弟が人質に取られて、自分だけ逃げてもいいぞと言われてもそうはいかない。
絶対に逃げないし、守ろうとする。

お兄ちゃんやお姉ちゃんというのは、弟や妹を見捨てることなんかできないように出来ているんです。
きっとそれは理屈ではなく本能なんでしょう。

姉妹と仲良く遊んであげたり、人質に取っている間も姉妹のための飲み物を要求していたりと、子供に対しては優しかった容疑者。
しかし、店主には大きな憎悪を抱いていたし、自身の母親にも金銭を要求し暴力をふるっている。

非人間的な部分と人間的な部分が同居した、ややこしい人物です。
いずれにしても短絡的で許されない犯行。
死者や重傷者が出なかったのが不幸中の幸いでした。